授業アンケート所見票の書き方
現在,授業アンケートは多くの大学で実施されていると思いますが,その結果を各教員がどのように活かしているかということをきちんと学生に伝えている例は少ないのではないでしょうか。
立教大学では,2004年度から「所見票」を教員が書いて,学内限定で公開しているようです。東京電機大学東京千住キャンパス(工学部・未来科学部・工学部第二部)でもそれを参考にして,2015年度前期から,教員が所見票を書くことになりました。そこで,所見票の書き方を紹介します。
準備するもの
- 授業アンケートの集計結果
- 自由記述欄に書かれた回答
ポイント
所見票を読む(可能性のある)下記の人々を意識して書く。
- アンケートに回答してくれた学生たち
- 今後この科目を履修するかも知れない学生たち
- 同僚の先生,他大学の先生
- 大学の管理職
- 学生の保証人,社会一般の人々
手順
1
【授業アンケート集計結果について】
なぜこのような結果になったのか,思い付く限りで原因を考察する。アンケートの結果は,教員が行う授業を反映するとともに,それ以外の要因(例えば,受講者数や教室の形状など)も関係がある。それは第三者には分からないことなので,担当教員から説明する必要がある。良かった点,改善すべき点の両方について書くとバランスがとれていい。
2
【自由記述欄の回答について】
授業改善に役立つと思われるもののみを取り上げる。これも,できれば,良かった点と改善すべき点の両方を紹介できた方がバランスがとれていて良いが,どちらか一方だけでも構わない。苦情や要求で,到底対応不可能なことや,誤解のもとに書いていることなどもあるが,そうしたものは原則として無視する。誤解を解く必要がある場合は,その旨説明する。正当な要求だけれども,いまのところ対応できないという場合は,理由とともにその旨を説明する。誹謗中傷については,無視する。
3
【今後の授業改善に向けて】
もし具体的な改善策がある場合は,それを書く。具体策がない場合は,おおまかな方向性を漠然と書くか,あるいは「今後の課題としたい」と書く。
関連情報
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田中浩朗さんの投稿「授業アンケート所見票の書き方」は次のライセンスの下に提供されています。