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事実と思いを分けて、総括するレポート書式

投稿日:2022.05.25

更新日:2022.06.17

科学とは事実に基づいた学問です。

事実とは、実際にあること、あったことです。 

学生に科学的な頭脳を育成させる出発点の一つが事実を事実として把握する力を養成することです。ところが入学時の学生はおよそ事実と自らの思いとを区別することができません。 

表象的に示すと、「りんご」を目の前に出されたとき、単に「りんご」が頭脳に描かれるのみならず、「美味しそう!」とか「青森産?」とかの思いが一緒に生じます。果ては「白雪姫?毒りんご?」とかという様々なことが浮かび上がっていきます。 

これらは目の前の「りんご」とは直接関係ないその人の「思い」でしかないのですが、そこを区別する力が育っていません。だからレポートさせると「美味しそうなりんごがある」として表現されてきます。 

本学の学生は看護を専門としていきますから、対象である患者の事実と、その事実にともなって学生自身の頭脳に生じてきた思いとを区別する能力を求められます。その区別ができるようになるにしたがって、(自分の中の思いは思いとして)客観的に見た患者の事実はどうなのかを捉えていこうとする姿勢が育っていくからです。 

そこで事実と思いを区別できる能力が育っていくようなレポート書式を設定しています。

準備するもの

  • 学生がテキストの指定した章を読んでおくこと
  • あるいは、学生が授業を聴講しておくこと

ポイント

レポート課題を掲示する際は、以下の様に示しています。

1. 主題を書く:テキストの何章に関するレポートか(あるいは、第何回の授業に関するレポートか)の明示

2. 実際にテキストに書かれていたこと(あるいは、授業で説かれたこと)に基づいて、学んだ内容をまとめる

3. 学んだ内容についての思いを書く4. 副題として1行ほどで学んだ内容の柱を主題の後ろに書く 

 

特に、上記2の学んだ内容の記述については「テキストを読んでいない人にも(あるいは、授業を受けていない人にも)、内容が伝わるように心がけるとよい」と注釈しています。

2の学んだ内容と3の思いについては「意図的に区別すること!混合が酷い場合は減点する!」と示しています。また、「副題をつけていない場合も減点する!」と示しています。

手順

該当カテゴリー

小河一敏さんの投稿「事実と思いを分けて、総括するレポート書式」は次のライセンスの下に提供されています。

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